伝道開始130周年記念事業

伝道開始130周年記念礼拝・オルガンコンサートは多くの方々の祈りと献げものによって十分に準備が整えられた上、すべてのことを感謝の内に終えることができました。
今回の記念事業の一環として、老朽化したオルガンの修復が実現できましたことは私どもにとって大きな喜びと励ましになりました。今後、オルガンは神を賛美するために礼拝で用いさせていただきます。
これまで多くの皆様にご協力していただきましたことに心よりお礼申し上げます。

〇お知らせ 2021/4/1

伝道開始130周年記念冊子を公開しております。
ご覧になられる方はこちらをクリックしてください。

ーオルガン修復作業の過程ー

2020年1月9日報告  ◆オルガン(ヤマハ11ストップ(黒帯)、1958年製)

2020年12月24日報告  ◆オルガン(ヤマハ11ストップ(黒帯)、1958年製)

いつもお世話になっております。お預かりしていますオルガンの進捗状況についてご報告いたします。今は外装の補修作業がほぼ終了しこれから組み合立てを開始するところです。
以下に写真を交えながらご案内いたします。

オルガンの外装は化粧板(板の表面に貼られている薄い木の板)が経年劣化で剥がれておりました。

通称”黒帯”と呼ばれている、このオルガンの特徴でもある親板の黒い板も一部剥がれていました。

外装の修復はまず元の塗料を落としていきます。このように綺麗な木肌が出てきました。

剥がれていた化粧板も同じ素材であるカバ材を使用しました。
木目がつながるように慎重に素材を選んでいます。

黒帯の部分も貼り付けます。色が白いですが、この後に気を染める工程を経ますので色は目立たなくなります。

塗装をする前に浮いている化粧板を止めていきます。
分かりやすく剥がれている化粧板の他に、見えなくても触ってみると剥がれかかっている化粧板が沢山ありました。
そこに接着剤を丁寧に流し込んで止める作業を行っています。後々のトラブルを軽減させる効果があります。

木を染めた工程です。この段階である程度色が決まります。
アンティーク調の落ち着いた色合いになったと思います。
黒帯もしっかり染まりました。

ここまでパーツを分解して塗装作業を行いました。そうすると仕上がりがとても綺麗になります。

オルガンは意外と分解するとパーツが多く塗装作業も大変です。

染めた木の上からウレタン塗料を塗装し保護していきます。

綺麗に仕上がってきました。

継ぎ足した化粧板です。継ぎ目もあまりわからなくなりました。
これから組立の工程に入っていきます。

2020年11月9日頃の状態  ◆オルガン(ヤマハ11ストップ(黒帯)、1958年製)

こんにちは。リードオルガンの修理を行わせていただいているアートピアノ社の井土です。
先日よりオルガンの修理を開始し、その際の写真をお送りいたします。
今は各パーツを分解して、中の状態をチェックしているところです。
化粧板が剥げています。

鍵盤蓋などを外しました。リード室やボタンを操作する機構が見えます。
この奥に鍵盤が付いており、鍵盤を押すとリード室に空気が抜けてリードが震え、音が出ます。空気袋には大きな穴が空いていました。

今週初めからは”空気袋のラバークロス貼替”作業を行っております。
リードオルガンはリードと呼ばれる笛が震えて音が出るのですが、足踏みで空気を送っているのではなく、空気を吸って音を出しています。
オルガンには空気袋があり、足踏みによって袋の中の空気を抜き真空状態にします。空気袋はリード室と繋がっており、鍵盤を押しバルブが開くことによって外の空気が空気袋の中に入っていき、その際にリードに空気が通り音が鳴ります。
オルガンの語源は“器官、臓器”という意味があるらしく、空気袋は人で例えると肺と言ったところでしょうか!
空気袋はラバークロスという布にゴム素材が付いたもので作られているのですが、経年劣化でゴムが硬くなり破れ、穴が空いておりました。